中部経済産業局3月公表 最近の管内総合経済動向 21か月連続 個別では公共投資の判断を上方修正
中部経済産業局は、3月12日公表の「最近の管内総合経済動向」で、管内(愛知、岐阜、三重、富山、石川の5県)の経済活動についての総括判断を、21か月連続で「改善している」とした。
個別の項目では、生産の判断を「一部に弱い動きがみられるものの、高水準で推移している」とした。「高水準で推移している」は6か月連続。鉱工業生産の指数(1月速報)は、前月比4・3%減と2か月ぶりに低下した。主要業種では、輸送機械が同1・5%減で、乗用車は横ばいとなるも、海外向けで自動車部品の好調が継続しており、全体としては高水準で推移している。生産用機械は同8・3%減で、金属工作機械を中心に弱含みとなっている。電子部品・デバイスは同17・7%減で、スマートフォン向け等を中心に弱い動きとなっている。これらのことから、前月までの判断に「一部に弱い動きがみられるものの」という文言が付加された。
個人消費については、22か月連続で「緩やかに持ち直している」と判断した。管内商業動態統計(販売額)は、前年同月比1・5%減と2か月ぶりに前年を下回った。百貨店は、高額品に動きがみられたものの衣料品等が振るわず、同4・2%減。スーパーは、飲食料品等が振るわず、同6・4%減。家電大型専門店販売は、情報家電等が振るわず、同0・5%減となった。一方、コンビニエンスストアは、カウンター商材、中食が引き続き好調で、同2・3%増。乗用車販売は、小型車が2か月連続で前年を下回ったものの、普通車と軽自動車が2か月ぶりに前年を上回り、全体でも2か月ぶりに前年を上回った(乗用車新車新規登録・届出台数…前年同月比1・6%増)。
公共投資は、判断を「弱含みとなっている」から「持ち直しの動きがみられる」に14か月ぶりに上方修正した。判断変更は2か月ぶり。公共工事前払金保証請負金額は、3か月ぶりに前年を上回った。年度累計では前年度比9・7%増となっており、今後も前年を上回ることが見込まれている。
その他、設備投資は「増加している」(21か月連続)、住宅投資は「おおむね横ばいとなっている」(3か月連続)、輸出は「横ばいとなっている」(2か月連続)、雇用は「労働需給が引き締まっている」(32か月連続)と判断した。
企業倒産(件数)は、「建設業」「サービス業他」などが前年を上回ったものの、「卸売業」「製造業」「金融・保険業」が前年を下回り、全体でも2か月ぶりに前年を下回った。
先行きについては、世界経済の下振れ、各国政策の不確実性の高まり、為替の動向、中小企業の経営環境の悪化などに注視が必要と指摘。各種政策の効果が生産や投資、所得の増加につながることが期待されるとしている。
※比較は、断りのあるものを除き、平成31年1月の実績値による。