鉄研、バレル研磨新工場稼働 3億円投資
鉄研は、長野県諏訪市に建設中だったバレル研磨を手がける新工場を完成した。新工場への移転を完了し、フル稼働に入った。総投資額は約3億円。精密プレス部品向けなどに行う、加工油除去のための独自の洗浄工程を経たバリ取り研磨加工「クリーンバレル研磨」事業の拡大につなげる。
新工場を含む2階建て施設の敷地面積は1600平方メートルで、延べ床面積は931平方メートル。1階部分の研磨工場は、研磨対象金属別にアルミニウム、ステンレス、銅・真ちゅう、鉄向けのそれぞれ専用4室に分かれる。バレル研磨機40台、超音波洗浄機19台、遠心分離乾燥機や温風乾燥機を設置。独自ブレンドの洗剤などを用いて、煮沸洗浄を交えた3通りの超音波洗浄を伴うバレル研磨「クリーンバレル研磨」を展開する。
同洗浄・研磨法は、金属の板厚0・15ミリメートル程度で変形しやすい複雑形状部品の研磨に適している。油分を完全に取り除けるため、後処理の表面処理膜の定着性にも優れる。古畑社長は「弱電や医療向けなどの部品を中心に、受注は拡大基調にある」とする。
2019年3月期の売上高1億5000万円に対し、20年3月期は、若干の業績上振れを見込む。