ソミックグループ、30年めど新規事業売上高1200億円 「自律走行ロボ」第2の柱に
ソミックマネージメントホールディングスは、2030年3月期をめどに自律走行ロボットなど新規事業の売上高を1200億円に引き上げる。主力の自動車部品に次ぐ経営の柱を育成する。自律走行ロボットは取り組みを始めたばかり。事業化へ技術・知見の獲得や人材育成を急ぐ。30年3月期にソミックグループで売上高3000億円(22年3月期は約900億円)を目指すなか、4割を新規事業で稼ぐ考えだ。
ソミックグループの中核で自動車のボールジョイントといった自動車部品を得意とするソミック石川は、生産設備の故障を未然に予知する仕組みや、熱処理で生じるエネルギーを再利用する取り組みなどを研究している。グループ会社が出資した米国のスタートアップや研究機関などと連携し、人工知能(AI)を活用した外観検査などの事業化も検討している。
「従業員の業務の1割は新規事業の検討に充てたい」(斉藤社長)としており、ソミック石川での知見をグループ全体の新規事業に生かす。
また、次世代を担うリーダーの育成を目的に「クリエイティブシンキング講座」を実施している。グループ内の人事交流、選択的週休3日制や副業・兼業といった働き方改革なども推進し、従業員が新たな発想を生み出しやすい環境を整える。
ソミックグループでは、建設業界を主な顧客とした作業支援ロボット「SUPPOT(サポット)」のレンタルサービスを4月に開始した。サポットの開発にはソミック石川の自動車部品のノウハウを応用した。足元では国内の大手電気機器メーカーから工場敷地内利用の提供を受け、資材運搬の自動化のための共同研究を進めている。
一連の取り組みを通じて自動車業界の変革やコロナ禍といった事業環境の変化に対応しつつ、中長期の成長を見据えた体制を確立する構えだ。