工作機械3カ月連続増、1月受注9%増 外需が7割、中国けん引
日本工作機械工業会が発表した1月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比9・7%増の886億2700万円で、3カ月連続の増加となった。中国を中心に外需の回復傾向が続き、外需比率は6年9カ月ぶりに70%を上回った。2月も全体で緩やかな回復傾向が見込まれるものの、内需は足踏みの状態が続いていることなどから、回復の度合いには不透明さも漂う。
受注総額が850億円を上回るのも3カ月連続だ。外需は前年同月比が3カ月連続で20%以上の増加率となり、特に中国の回復ぶりが際立つ。中国は2カ月連続の250億円超えで、主要業種ではテレワーク関連需要などが好調な電気・精密が同4・3倍、自動車が同2・4倍とけん引した。このほかイタリアが同5・3%増と3カ月連続で増加し、ドイツは12カ月ぶりに25億円を上回った。
一方、北米は5カ月ぶりの150億円割れで、主要4業種の中で増加となったのは一般機械のみにとどまった。バイデン米新政権による増税への警戒感や新型コロナウイルス感染の状況などから、発注を控える向きが感じられる。
内需は同10・8%減の264億500万円で、26カ月連続の減少となった。緊急事態宣言の発出の影響や補助金の採択待ちによる買い控えなどが見受けられ、「受注水準は徐々に上がってはいるが、もう一伸びがなく、停滞している」状況だ。主要4業種では一般機械が同8・1%減の97億6200万円と、7カ月ぶりに100億円を下回るなど、全業種で減少となった。
今後も受注環境の改善が進むとみられるものの、日工会では「新型コロナの感染再拡大や半導体不足で減産が進む自動車産業の設備投資方針など、足元でうかがえるさまざまなリスクについても注意を払う必要がある」と指摘する。