工作機械受注は“高原状態” 工具業界も順調推移 ダイヤモンド工業協会
ダイヤモンド工業協会中部支部は、第33回中部支部懇談会を開き、工具業界の順調推移の報告を受け、出席したメーカー、商社、協会の計28人が一堂に安堵。しばらくは静観の構えで、情報交換に努めた。
はじめに北川支部長が昨今の日本経済について、「経済は10年前(リーマンショック前)に回復したと言われるが、実感としてどうなのか。かつて日本一元気と言われた名古屋も、繁華街は今なお閑散としている。さて、ここ名古屋の産業は自動車が中心で、7割を占める。残り3割がセラミックと航空機。その自動車が大きな変革期を迎えている。すなわち、電気自動車へのシフト。これは世界的な動き」などと所感を述べ、開会の挨拶とした。
続いて、ダイヤモンド工業協会の緒方誠也会長(ノリタケカンパニーリミテド執行役員製造本部長)から業況に関する数値データが紹介された。「日銀短観(10月1日発表)は3期連続の悪化を示している。自然災害、人手不足、米国との貿易摩擦による中国経済の減速、原材料の価格上昇などが主な要因と考えられる。しかし、先行きは横這いとの見方が強く、けっして悪くはない。設備投資も進んでいる。では、当業界はどうか。経済産業省の機械統計によると、2017年暦年の生産額は958億円で、月平均で79・8億円。今年1―7月の平均が83・4億円で、昨年比4・5%増。このままの水準で推移すると、年間生産額1000億が視野に入ってくる。世界経済には色々な懸念材料があるが、工作機械の受注台数は依然好調で〝高原状態〟にあると言える。こうした状況下で我々の工具が使われる」と今後の順調推移に期待を寄せた。
協会前事務局長の武藤隆氏によると、「工作機械受注額については8月の速報値で中国の減速感が大きい(前年比63%)。ただし、累計は99%。それまで好調すぎたため」。新事務局長の佐藤正典氏と発表した。
ニュースソース:名古屋機工新聞(http://www.kikou.co.jp/)