工作機械受注、昨年度34%減 10年間で最低 日工会
日本工作機械工業会が発表した2019年度の工作機械受注実績(確報値)は、前年度比34・9%減の1兆995億4100万円だった。10年連続で1兆円超えを果たしたものの、10年ぶりの1兆1000億円割れとなった。足元では欧米などで新型コロナウイルスの感染拡大が本格化しており、今後、顧客が設備投資を見送る動きが一層強まる恐れもある。
19年度は、米中貿易摩擦や自動車需要の低迷に加え、20年からの新型コロナの感染拡大の影響により、受注総額が1兆円以上に達した10年度以降の10年間で最も低かった。
内需は前年度比36・5%減の4466億3900万円で、3年ぶりの減少。13年度以来、6年ぶりの5000億円割れとなった。米中貿易摩擦の影響で需要が落ち込み、全11業種が軒並み減少。中でも主要業種である一般機械、自動車、電気・精密機械は前年度比3割以上の大幅減少となった。
外需は同33・8%減の6529億200万円で2年連続の減少。09年度以来、10年ぶりの7000億円割れとなった。
中国は新型コロナの影響が深刻化したことなどから、同40・0%減の1420億3600万円となり、中国を含むアジアと欧州、北米の主要3極すべてで減少した。
3月単月は前年同月比で18カ月連続の減少。本来、3月は期末で受注が増えるが、新型コロナの影響などにより2カ月連続で800億円割れとなった。3月として800億円を下回るのは10年ぶり。
中国は政府の産業奨励策の効果などで前月比増加となったものの、大手工作機械メーカーからは「過剰気味」との声も挙がる。
新型コロナの影響も世界的に広がっており、日工会では「今後も国内外で影響が懸念され、(新型コロナの)動向を注視する必要がある」としている。