3月の工作機械受注、65%増 1200億円超は24カ月ぶり
日本工作機械工業会(日工会)が発表した3月の工作機械受注額(速報値)は、前年同月比65・0%増の1278億2300万円で、5カ月連続の増加となった。1200億円を上回るのは2019年3月以来、24カ月ぶりだ。受注環境は昨年半ば以降、中国を中心に回復基調を続けている。ここに来て、その流れが欧米にも波及し、回復度合いが鮮明になっている。
総額が1000億円を上回るのは2カ月連続で、日工会では「内需、外需ともに良い方向に進んでいる」(調査企画部)と捉えている。
内需は同18・7%増の406億4700万円で、28カ月ぶりの増加に転じた。400億円を超えたのは19年9月以来、18カ月ぶり。年度末効果が寄与したとみられるが、「特定の業種・企業だけが良いわけではなく、市場全体で上がっている」(同)という。
外需は同2・0倍の871億7600万円で、5カ月連続の増加となった。800億円を上回ったのは、米中貿易摩擦の影響が出始めた18年10月以来、29カ月ぶり。中国だけでなく、欧米やインドなどほかの国・地域でも需要が増え始めており、外需の回復ペースを押し上げている。
今後もコロナ禍や米中関係の影響など懸念する点はあるものの、業界では「4月以降も回復基調が続く」(大手メーカー幹部)との声が聞かれる。
20年度の受注額は前年度比10・1%減の9884億3000万円で、3年連続の減少となった。1兆円を下回るのは11年ぶり。
内需は同27・0%減の3261億4800万円で、2年連続の減少となった。外需は同1・4%増の6622億8200万円で、2年連続の7000億円割れとなったものの、中国を含めたアジアの需要がけん引して3年ぶりの増加となった。