工作機械、3月65%増 内需28カ月ぶりプラス
日本工作機械工業会が発表した3月の工作機械受注実績(確報値)は、前年同月比65・1%増の1278億7600万円で、5カ月連続の増加となった。中国を中心に外需が引き続き好調だったことに加えて、内需も28カ月ぶりに増加に転じた。1000億円超えは2カ月連続。2020年度累計はコロナ禍の影響で11年ぶりの1兆円割れとなったが、足元では受注水準が一段と高まっており、先行きに明るさが増している。
3月の受注額は、19年3月以来24カ月ぶりに1200億円を上回った。内需は需要回復傾向に年度末効果も加わったことで18カ月ぶりの400億円超えとなった。業種別では全11業種中9業種が増加。特に半導体製造装置関連の需要増により、一般機械が28カ月ぶりに増加へ転じ電気・精密も24カ月ぶりの45億円超え。また自動車が16カ月ぶりの100億円超え、鉄鋼・非鉄金属が14カ月ぶりの15億円超えとなった。
外需は5カ月連続の増加で、29カ月ぶりの800億円超え。需要をけん引するアジアは36カ月ぶりに500億円を上回るなど活況を呈している。特に中国は半導体や自動車関連向けの伸びと、コロナ禍で前年の経済活動が停滞した反動もあり、前年同月比3・3倍に拡大。過去3番目の受注額に達した。欧州は20カ月ぶりの140億円超え、北米も20カ月ぶりの200億円超えを果たすなど、回復の波が広がっている。
20年度累計は3年連続の減少。年度後半から中国向け需要が回復したものの、コロナ禍による国内外での需要減退が響いた。内需は2年連続の減少で、8年ぶりの4000億円割れ。外需は3年ぶりに増加へ転じたが、2年連続で7000億円を下回った。