石原産業、ワイヤカット能力増強 大物を高精度加工
石原産業は、ワイヤカット能力を増強する。大物の加工対象物(ワーク)を高精度に加工するワイヤ放電加工機1機を新たに導入し、9月の稼働を予定する。同カット能力を現在比10―20%引き上げる。投資額は非公表。大型・高精度化のニーズに対応した体制を整えて受注拡大を目指す。
本社工場に導入するのは、スイス・GFマシニングソリューションズ製「CUT P 800」。軸移動量はX軸800ミリ×Y軸550ミリ×Z軸510ミリメートルで、ピッチ精度はプラスマイナス3マイクロメートル(マイクロは100万分の1)。大物のワークを1回でカットできる。
斜めにカットするテーパ加工の最大角度は45度で、より複雑な加工に対応。半導体や自動車部品の金型加工だけでなく、自動機用の精密部品や医療機器の加工も可能になる。
幅800ミリメートルを超えるワイヤ放電加工機は2台目。複数台をそろえることで同時進行の加工が可能になり、増産と短納期に対応する。
同社は大型・高精度の加工事業を新たな事業の柱に育て、関連する売上高を5年後をめどに現在比2倍に増やす方針。マシニングセンター(MC)、研磨機は導入済み。ワイヤ放電加工機の増強で小型から大型まで、精密複合加工をトータルでこなせる体制がほぼ整う。引き続き工場環境の整備や人材育成に取り組む。