エリオニクス、刃先解析装置を投入 加工度・面粗さ見える化
エリオニクスは、高分解能電子ビームで工具の刃先を解析する「EBA―壱」を開発し、市場投入した。
ナノメートル(ナノは10億分の1)単位で、刃先部分の加工度や面の粗さを解析して見える化する。精密切削加工メーカーの製品開発や品質管理、生産現場での加工条件設定・見直しなどでの使用を見込む。
タングステン電子銃使用の標準システムは4800万円(消費税抜き)。熱電界放射型電子銃の「超高解像度システム」は6800万円(同)で、加速電圧30キロボルトで横方向1・2ナノメートル、縦方向1ナノメートルの測定分解能を持つ。初年度販売台数は5台以上、販売額は3億円を目指す。
組成分析や結晶方位解析も同時に行える。精密切削工具メーカーのほか、金型製造、自動車や航空機、半導体、電子部品といった精密切削加工に関わる業界からの需要を見込む。
これまでは熟練の職人が刃先の先端角度や形状の良しあしを判断するケースが多かった。現在、超硬刃やスクライブ加工工具の切れ味や耐久性向上に伴い、精密で高度な刃先先端角度や刃先形状の管理が求められるようになっている。従来方式などでは、現状の超精密加工技術が求める精度の微細な解析は困難とされている。