金型・工具を長寿命化 北熱が表面処理技術
北熱は、アルミニウムの加工用金型・工具の寿命を延ばす表面処理技術を開発した。アルミダイカスト金型向けの「アクロ9」と、アルミ摩擦撹拌接合(FSW)工具向け「FSW―R」「FSW―E」の計3種で、今後それぞれの受託加工を順次、開始する。軽量化のためにアルミ合金への部材の代替が進む自動車部品の表面処理加工の需要を取り込む。
アクロ9はダイカスト金型に特化した厚膜9マイクロメートル(マイクロは100万分の1)のアルミクロムナイトライド(AlCrN)系コーティング膜。従来のコーティングに対し、溶損量を70分の1、摩耗量を50分の1、衝撃摩耗を4分の1にし、金型寿命の大幅な向上を実現する。12月からダイカスト金型成形メーカーから加工を請け負う。初年度1000万円の売り上げを目指す。
一方、FSW工具向けでは、耐摩耗性を重視した表面硬化処理のFSW―Rと、耐凝着性に軸足を置いた表面改質処理のFSW―Eを用意。Rは工具先端の摩耗量を従来比で2分の1に抑制。Eは工具先端の凝着量を同5分の1にできる。
FSWメーカー向けにそれぞれ11月から請け負いを始めた。初年度の売り上げ目標は両方合わせて1000万円。