ファナック、自社工場モデルの協働ロボ提案 ライン最適化
ファナックは生産設備の小型化に貢献する協働ロボットの提案を本格化する。安全柵を設けずに活用できる協働ロボットの特徴を生かす。自社工場をモデル工場とし、同ロボットを使ったコンパクトなラインを導入し、多品種少量生産の自動化に活用する。協働ロボットは安全性への配慮から従来のロボットと比べ稼働速度が遅く、生産性が課題だった。スペース効率や柔軟さを含めた採算性を訴求し、協働ロボットの用途を開拓する。
自社工場に同社の協働ロボットを使い、スペース効率を高めた生産ラインを導入し、2019年末にも稼働する。人と同じ作業空間で稼働できる協働ロボットのもう一つの特徴を生かし、同ロボット周辺に複雑な作業にも対応できる人も配置。安全柵分のスペース効率化のほか人の柔軟性も取り込み、ライン全体の生産性を上げる。
従来のロボットを複数配置した自動化ラインは少品種大量生産に適するが、設備全体の大型化や固定化が課題だった。今後は多品種少量生産が進むため(1)従来のロボット(2)協働ロボット(3)人の配置―を最適化し、全体のスペース効率、生産性、柔軟性を向上する。
ファナックは自社工場に自社の協働ロボット50台以上を導入して生産性を向上する。例えば重い部品の組み立て工程に協働ロボットを導入して重筋作業を代替する。また部品を装置にセットする作業に協働ロボットを活用し、レイアウトを変えずに自動化するなど用途開拓を積極化する。
安川電機も自社工場に自社の協働ロボットを導入し、スイスのABBは導入予定。各社は自社工場をモデルとし、同ロボットの提案にも力を入れる。