不二越、ロボットセル投入 動作経路自動生成、導入容易に
不二越はロボットを活用したセルシステム市場に参入する。第1弾としてバリ取りセルを投入する。
加工対象物(ワーク)に応じてロボットの動作経路を自動生成し、プログラミングなどロボットを扱う専門知識がなくても、バリ取りを簡単に自動化できる。
ユーザーごとに固有のロボットシステムをつくり込むのではなく、カスタマイズの余地を残しながら作業に応じてロボットセルをパッケージ化し、自動化や省人化をしやすくする。
バリ取りセルは不二越の可搬質量10キログラムの小型ロボット、工具を装着する先端ツール、治具テーブルなどで構成。幅800ミリ×奥行き1400ミリ×高さ1400ミリメートルのケースにコンパクトに収めた。
オプション機能として専用のソフトウエアでワークのCADデータを取り込み、仮想空間上で加工箇所や加工条件を入力すると、ロボットの動作経路を自動生成する。装着したワークの位置をロボットに教示すると、実機と仮想空間の位置を自動で調整。最終的に作業者が試運転しながら動作経路を微調整して自動化する。
工具角度などを空気圧で調整する独自機構でワークのバラつきに対応する。鋳物などワークの素材や加工条件に応じて工具を選定でき、固定用の治具を専用設計することなどでカスタマイズできる。
既に受注を開始し、2020年度に年200台の販売を目指す。
同社はバリ取り以外に検査や搬送など作業に応じてセンサーやハンドといった周辺技術を組み合わせてロボットセルを構築。教示もしやすくして専門知識がなくても扱えるようにする。
一方、ロボットシステムを構築するインテグレーターの負担をカスタマイズ部分に絞ることなどで軽減。ロボットを導入しやすくし、ロボット事業の売上高に占めるロボットシステム販売の比率を数年以内に現状の2割強から5割に引き上げる。