菱高精機、小型の工具研削盤開発 メーカー別に刃形状再現
菱高精機は、ドリルやエンドミルなどの切削工具を再研磨するための小型研削盤を開発した。同社従来機より、ひと回りコンパクトなサイズで工場内にも置きやすいのが特徴。機械部品加工などに用いる工具類の再研磨は外注に出すケースも多い。自社工場内で再研磨が可能なため、内製化対応によるモノづくりのリードタイム短縮を後押しする。
菱高精機が3月発売するのは5軸コンピューター数値制御(CNC)工具再研削盤「EPSILON(イプシロン)Q」。高さは1480ミリメートル。主要工具の研磨プログラムを機械内に搭載しているため、最小限の設定だけで各工具メーカーの刃の形状を再現する。直径16ミリメートルの工具に対応可能で、価格は750万円程度(消費税抜き)を想定。初年度20台の販売を目指す。
工具は使用状況によっては毎日再研磨が必要な場合もある。菱高精機は再研磨に機能を絞った専用機で需要取り込みを狙う。同社は2015年に「イプシロン」を投入済み。価格は1000万円程度(同)で、これまで国内を中心に約50台の販売実績がある。今回は小型タイプを求める顧客の声に応えた。
工具製造を手がける菱高精機は関連装置も製造し、機械工具商社の土佐機工(大阪市西区)などを関連会社に持つ。19年3月期売上高は前期比5%増の6億円。ただ米中摩擦などによる工作機械業界の低迷を受け、20年3月期業績は影響を受ける見通し。工具周辺装置の拡販でテコ入れにつなげたい考えだ。