4つのテーマで振り返る メカトロテックジャパン2017 -3-
切削加工、高能率化進む 時短、コスト削減化
リードタイム短縮やコストを削減するために、加工の高能率化は常に求められる。今展示でも、送りの大きい加工が可能な工具や取り代の多い加工ができる工具など、高能率化をテーマにした切削工具が披露された。
三菱マテリアルが展示したのは、新製品の多機能カッタ「VPXシリーズ」。縦置きインサートによってホルダ剛性を高め、送り量を従来比1.5倍まで上げることができ、今まで以上の高速加工が可能となった。
日本特殊陶業も切削速度(vc)1000m/minの高速加工が可能な鋳物加工用カッタを出品。また、アルミボディで軽量化した超多刃カッタ「HFC」を展示し、アルミ部品加工の高能率化を提案した。
オーエスジーは、ワンレボリューションスレッドミル「AT-1」を出品。左ねじれ、不等分割・不等リードによってビビりを抑制し、今まで2~3回必要だった加工を1パスで可能にした。京セラは、すくい角を変化させてビビりを抑制する徐変エンドミルを展示。大阪工機でも切りくず排出性を高め、高能率加工にも対応する防振エンドミルを展示した。
菱高精機は、傾斜面でも下穴なしで穴加工ができる「ハンガーミル」を出品した。特殊な溝形状を採用し切りくず排出性を高めたほか、フラットな形状の切刃で加工段差を抑える。
難削材加工でも高能率化は進む。三菱マテリアルや三菱日立ツールでは、5枚、6枚刃など刃数を増やし、一刃あたりの送りを上げてチタン合金や焼入れ鋼を高速加工できるエンドミルを展示した。
また、ダイジェット工業では高送りカッタ「SKS‐GⅡ」を展示。従来品比で最大2倍の加工能率が向上でき、高硬度材やチタン合金などの難削材の加工にも対応できる。
つづく
ニュースソース:日本産機新聞(http://nihonsanki-shimbun.com/)