4つのテーマで振り返る メカトロテックジャパン2017 -4-
PCDや超硬で鏡面 中大物金型向け5軸
自動化や高能率化の技術が脚光を浴びる一方で、ひときわ注目を集めたのが微細な加工ができる切削工具や工作機械。高硬度材に深穴をあけるドリルや、中大物の鍛造金型に精密な加工ができるマシニングセンタなど個性豊かな新技術が登場した。
高硬度材に深穴をあけるドリルを出品したのはイワタツール。HRC40~72の鋼材を加工できる「トグロンハードロングドリル」で、SKD11(HRC60)の焼入れ鋼にφ1㎜、深さ4㎜の貫通穴の加工を披露した。
サイトウ製作所は、超高精度の小径ドリルの新製品を出品した。加工時の振れ精度が0.5μmで、金属部品に精密な穴をあけることができる。
日進工具や三菱日立ツールは、PCDやCBN、超硬工具やそれによる微細加工技術を披露した。
日進工具は、PCD工具を上手に使うためのキットを展示。超硬、CBN、PCDの工具3本とHRC60程度の鋼材、CAMデータの3点セットで、ユーザーは指定された条件で加工する。
日進工具は、加工物を検査し、ユーザーが持つ機械の最も適した加工条件を提案する。ユーザーはPCDと超硬やCBNの使い方の違いや特性を体験できる。
三菱日立ツールが出品したのは、独自開発したTH3コーティングを採用し耐摩耗性を高めた超硬エンドミル。Ra0.022μmの高精度加工が可能で、鏡面に仕上げたワークサンプルを展示した。
小物の金型や部品の加工に適用することができ、CBNとは別の微細精密加工の選択肢として来場者にアピールした。
一方、安田工業は、マシニングセンタ「YMC650」の5軸機「YMC650+のRT」を発表した。最大φ330㎜のワークの加工ができる。歯車の鍛造金型や自動車のヘッドランプの中大物金型向けの需要を開拓する考えだ。
ニュースソース:日本産機新聞(http://nihonsanki-shimbun.com/)