三菱重工の4-6月期、当期益126億円 航空・防衛・宇宙が改善
三菱重工業が発表した2021年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、当期損益が126億円の黒字(前年同期は579億円の赤字)だった。航空・防衛・宇宙部門の損益が改善し、物流・冷熱機器などの部門も好調だった。受注高も前年同期比8.8%増の7504億円で、新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を回復した。小沢寿人最高財務責任者(CFO)は「年間計画の達成に向け、おおむね想定通り」と述べた。
小型ジェット旅客機「三菱スペースジェット(MSJ)」関連の損失が、前年同期から大幅に減少した。これにより航空・防衛・宇宙部門の事業損益が35億円の黒字(同620億円の赤字)に転換し、業績改善に寄与した。このほか三つの部門も黒字を確保し、物流機器などを含む部門は101億円の黒字(同26億円の赤字)だった。増収基調の事業でも固定費の抑制を継続し、収益の確保につなげた。
22年3月期連結業績予想は据え置いた。民間航空機向けの機体需要が、国際線の旅客低迷に伴って落ち込んだままで、エンジンも厳しい状況が続く。「新型コロナが再拡大し、楽観できない」(小沢CFO)としている。