4―6月の小型工作機械、400億円超 国内外で受注回復
日本精密機械工業会(日精工)がまとめた2021年4―6月期の小型工作機械受注実績は、前年同期比2・5倍の439億6042万円で、3四半期連続の増加となった。
400億円を上回るのは、18年1―3月期以来13四半期ぶり。前年同期は新型コロナウイルス感染症の影響で受注が低迷したが、中国を中心に国内外で需要回復が進んだことで大幅に伸びた。
機種別の受注額は、数値制御(NC)小型旋盤が同2・9倍の262億4291万円、NC小型研削盤が同2・9倍の24億4941万円、小型マシニングセンター(MC)が同2・2倍の17億6013万円で、それぞれ大きく増加。NC小型フライス盤も同57・6%増の14億9600万円となった。
非NC小型工作機械も全機種合計で、同86・3%増の21億8806万円だった。
輸出総額は同2・7倍の315億5092万円で、輸出比率は同6・1ポイント増の71・8%。国内市場に比べ、中国や米国など海外需要の回復度合いが強く反映されたとみられる。
また、1カ月平均の受注額は146億5347万円。1―3月期比16・6%増となり、受注水準は順調に回復傾向をたどっている。
受注環境は今後も、電気自動車(EV)や半導体、第5世代通信(5G)関連などを中心に好調が続く見通し。
一方で、新型コロナの感染拡大はいまだに予断を許さない状況が続いているほか、一部の部品・部材で逼迫感が高まっており、今後の各社の受注動向への影響が懸念される。