4―9月期の工作機械受注、7000億円超 世界市場で好調継続
日本工作機械工業会(日工会)が発表した2021年4―9月期の工作機械受注実績(確報値)は、前年同期比98・1%増の7854億7300万円で、2半期連続の増加となった。4―9月期(上期)として18年以来3年ぶりに7000億円を上回った。経済活動の再開が本格化し、国内外で工作機械需要の回復が進んだ。下期も「市場動向に大きな変化はない」と、引き続き高い水準を見込む。
内需は一般機械や電気・精密を中心に全11業種で増加となり、上期としては3年ぶりの増加。外需も、中国を中心とするアジア、欧州、北米の主要3極で増加したことで、上期として3年ぶりの増加となった。
また9月単月は、18年9月以来36カ月ぶりに1400億円を上回ったほか、8カ月連続の1000億円超えとなった。年度上期の期末効果などにより、内外需ともに回復傾向が継続。稲葉会長は「地域・業種により若干濃淡はあるものの、世界市場全体で好調が継続している」と手応えを示した。
内需は18年12月以来33カ月ぶりの550億円超え。需要回復に加え、各種補助金の採択案件も全体を押し上げた。業種別では、一般機械が36カ月ぶりに230億円を上回るなど、計10業種で増加。金属製品は初の50億円超えで、過去最高額(18年9月の48億円)を更新した。
外需は2カ月ぶりの850億円超え。アジアは中国とインドで自動車向けの大型受注などがあったものの、電気・精密の減少などにより、2カ月連続で400億円を下回った。欧州は夏季休暇が明けたことなどにより、2カ月ぶりの200億円超えで、5カ月連続ですべての国・地域が増加した。北米は米国を中心に自動車や航空機関連の需要が高まり、33カ月ぶりの250億円超えとなった。