スター精密、スピンドル生産能力40%増 自動旋盤需要に対応
スター精密は、2024年12月期までに自動旋盤に搭載するスピンドルの生産能力を現行の約40%増の月1100本に引き上げる。中国、タイ、日本の3工場を合わせた自動旋盤の生産能力を年6600台体制に増強する方針に沿い、基幹部品であるスピンドルの供給力を高める。総事業費100億円をかけ、工作機械の国内生産拠点である菊川工場をリニューアルして拡張し、基幹部品の生産体制を固め、旺盛な需要に対応する。
スター精密は加工材料の棒材径10ミリ―38ミリメートルに対応するスピンドル5種類を菊川工場で生産している。現在の生産規模は、棒材径20ミリメートル対応のスピンドルを中心に月800本。
菊川工場のリニューアル工事は22年度中に着手する。複数の工期に分けて実施し、25年度に工場全体のリニューアルを完了する計画。リニューアル後の工場は、現在に比べてスペースが30%程度拡張する。最新鋭の自動倉庫を導入するほか、工程間を無人搬送車(AGV)で結ぶなど生産、物流、アフターサービスの自動化、デジタル化を推進し、効率化を進める。
工場の脱炭素化にも取り組む。太陽光パネルで発電した電力のほか、再生可能エネルギーの積極活用を通じて電気量を削減するなど「スマートDX工場」を目指す。
21年度の工作機械の受注台数は過去最高の5255台と堅調に推移。引き続き、中国をはじめとするアジア中心に自動旋盤の需要拡大を見込む。各生産拠点で能力拡大に取り組み、22年末までに中国で年間3600台、タイで同2400台、国内は24年末までに協力工場を合わせて同600台に増強する。