ミスミ、金型用部品を即日出荷 「エジェクタピン」短納期化・他部品も視野
スミグループ本社は、金型用部品である「エジェクタピン」の即日出荷を始める。これまで同社の部品調達支援サービス「meviy(メヴィー)」でのエジェクタピンの納期は最短4日出荷だったがリードタイムを見直し、短納期化を実現した。製品価格に加え、特急料金を2000―2500円(消費税抜き)上乗せする。今後は他の金型用部品も即日出荷できる体制を整える。
ミスミグループ本社では設計データの連携など「デジタルマニュファクチャリング」を推進し、製造工程のデジタル化を進めてきた。今回はマシニングセンター(MC)や測定機を動かすプログラムを自動作成できる自社開発の生産システムや、コンピューター利用製造(CAM)を開発し、リードタイムを削減した。加工から出荷までの待ち時間を約80%削減することで、数時間での出荷を可能にした。
エジェクタピンは、金型から成形品を取り外す役割の基本部品。ほぼ全ての金型に組み込まれているが、マイクロメートル(マイクロは100万分の1)単位の精密加工が必要になる。金型の量産体制を維持するため破損や設計変更などに対して、緊急で対応することが重要になる。同社には顧客から短期出荷を求める声が多く寄せられ、これに応えた。
メヴィーは加工品の3次元(3D)CADデータを専用サイトにアップロードするだけで、価格や納期などの見積もりが瞬時に表示され、最短1日で製造出荷する部品調達支援サービス。同社は製造業の調達時間削減を目指した「時間価値」の提供を進めており、今後はメヴィーを通じて板金加工品や切削プレートなどの即日出荷も視野に入れる。