富士精工、ギアスカイビング用チャックに参入
富士精工はギアのスカイビング加工用ワークチャックを開発した。自動車業界などでギアを複合加工できる設備の導入が進んでいることに対応する。開発品は把持力と精度が高く、素早く交換できる。ジェイテクトの「ギアスカイビングセンター」に採用されたのを皮切りに拡販し、年間1億円の売り上げを目指す。
富士精工がギアスカイビングセンター用製品を展開するのは初めて。ギアスカイビングセンターは旋削・穴あけや歯切など複合的な加工を1台でできる。専用機を使うシェーパ加工やブローチ加工と比べ、高効率で省スペース化できることから、今後の歯車加工の主流になるとみられている。
開発したスカイビングチャックは、チャック外径250ミリメートル。ワーク内径110ミリメートルを約129キロニュートンで把持し、精度も10マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以下と高い。自動車業界向けに精密工具や周辺機器を開発から設計、製造まで一貫で行ってきた技術とノウハウを生かし、機種の変更に合わせ早く簡単に交換できるスカイビングチャックを完成した。
同社は自動車エンジンや変速機の加工用精密工具が主力。電動化など自動車業界の変革期に対応するため、新技術や新製品の開発に力を入れており、今回のスカイビングチャックもこの一環。ユーザーの自動化、省人化ニーズを受け、今後は自動段替えタイプの開発も進める方針だ。