三菱重工工作機械、ホブ盤などシリーズ化 高精度ロボ用歯車向け
三菱重工工作機械は、ロボット用精密減速機の歯車製造に対応したホブ盤とギアシェーパーを開発し、「FRシリーズ」として発売した。高精度小モジュール歯車の加工に最適な機械構造を採用したことで、高精度・高能率生産を実現する。2021年3月期中にシリーズ全体で5台の販売を目指す。
ホブ盤は、主軸とテーブル軸にダイレクト・ドライブ(DD)駆動方式のモーターなどを搭載し、単一ピッチ誤差を1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)以内に抑えられる。毎分最大8000回転の高速加工により、加工時間を同社製の自動車向け従来機種と比べて3分の1に短縮できる。直径150ミリメートルまでの加工対象物(ワーク)に対応する。価格は4200万円から(消費税抜き)。
ギアシェーパーは、基幹部品のカッターヘッドとテーブルに高精度ウォームホイールを採用するなどして、歯車加工の精度クラスを自動車向け従来機種比で2段階高めた。価格は5000万円から(同)。
近年、産業用ロボットや生活支援ロボットの市場拡大に伴い、ロボットの関節部に使われる精密減速機内部の高精度小モジュール歯車の需要が急増している。同社は小モジュールに特化した歯車工作機械の投入で市場を深耕する。