ハル技研、日・欧仕様に対応したデフケース複合加工機
ハル技術研究所は、ディファレンシャルギア(デフ、差動装置)を収納するデフケースの切削加工について、日本車と欧州車の双方の仕様に対応した専用複合加工機を開発した。欧州自動車メーカーの工場が多い中国などでの販売を見込んでおり、2021年に発売を予定する。
デフケースの内部形状は日本が「球面と平面」、欧州は「全球面」を採用している自動車メーカーが多いという。津山高専などの支援も得て、球面と平面、全球面のどちらの加工にも対応できる複合加工機を開発した。同社が従来、生産してきたデフケース複合加工機は球面と平面の加工のみだった。
今回、開発した複合加工機はデフケース内部を全球面に切削する際の加工を旋盤で行うほか、切削する特殊形状の工具も新たに開発するなど複数の新技術を採用した。特許協力条約(PCT)に基づく国際特許を出願済み。中国のほか、欧州各国などで販売を計画している。
全球面のデフケースは球面と平面のデフケースに比べ小型・軽量化できる。「電気自動車(EV)での採用増加が見込まれる」。
同社のデフケース複合加工機はシャフトなどの各種穴開け、内部の加工など10以上の工程を1台で対応できる。これまでは国内を中心に韓国やインドネシアなど海外にも納入してきた。今後は海外向けの販売をさらに増やす考えだ。