ダイジェット工業、工具製造要員を多能化
ダイジェット工業は本社工場で、主力の超硬工具製造に携わる従業員の多能化に着手した。新型コロナウイルス感染症による工場の稼働率低下を逆手にとり、通常の実務内で複数の製造工程を担当できるように、工場での“学び”を始めた。工具需要の回復局面を見据えた現場改革を急ぐ。
ダイジェットの工具は海外で中国市場向けが回復基調にあるが、新型コロナの影響が直撃する航空機関連など国内は弱含み。約100人が勤務する本社工場の稼働率は7―8割程度にとどまっている。
工具製造は加工、研磨、仕上げ用など各種機械を扱う。従来は単一工程の担当だった従業員が各工程に応じた機械を使えるように、半年程度かけて教育する。
将来は現場従業員がCAD/CAM(コンピューター利用設計・製造)まで使えるようにしたい考え。「工場で生産技術の仕事までできるのが理想」とする。
現状は稼働率低下に伴い、工場の出社人員を2割程度減らした状態でローテーションを組んでいる。工具製造の多能化は「自動車関連が動き出しこともあり、受注が戻った時にすぐ対応できるようにしたい」との狙いだ。