高松機械、コレットチャック注力
高松機械工業は工作機械メーカーとしては珍しく、創業当初から加工対象物(ワーク)を固定するコレットチャックを内製している。現在も旋盤の特性を熟知した22人の専門スタッフによるコレットチャックの製造部門「コレット課」を置く。モットーは「高精度、短納期、高耐久性」(宮田淳コレット課課長)。モノづくりの姿勢や性能の認知度向上に向けて、新たな取り組みを始めている。
2018年にカタログを一新し、コレットチャックの用途が分かるよう型式を変更した。カタログには標準品のほかユーザー自身が加工して成形する「ブランク製品」も数多く取りそろえ、15時までの注文で当日出荷が可能な体制を取っている。
20年からは動画投稿サイト「ユーチューブ」によるブランク製品の成形方法の配信も始めた。11月24―26日に本社工場で開催した自社展「FAソリューションズフェア2020」でもコレットチャックを紹介している。
最近は生産量の65%を占める特殊品の製造に注力している。20年11月には主に特殊品を加工する専用機を導入した。提携する台湾の友嘉実業集団(FFG)との協力で開発した機械だ。営業面では自社製コンピューター数値制御(CNC)旋盤と競合しない、研削盤や搬送機向けへの拡販も強化する。
今後の課題は22年4月の新工場稼働による工作機械本体の増産を見据えたコレットチャックの生産能力の増強だ。現状の月産能力2000本程度から、2割程度の能増を視野に入れている。