新型コロナ/輸出、4月21.9%減 貿易赤字9304億円
財務省が発表した4月の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は9304億円の赤字(前年同月は589億円の黒字)となった。
赤字は3カ月ぶり。新型コロナウイルス感染症の拡大による、世界的な経済活動の縮小が響いた。輸出総額は前年同月比21・9%減の5兆2023億円と、2009年10月の同23・2%減以来の減少幅となった。輸出の減少は17カ月連続だった。
輸出は米国向けが大幅に落ち込んだことなどが主な要因。輸出総額は自動車が同50・6%減、自動車部品が同39・2%減、航空機向けなどの原動機が同34・7%減。輸入総額はサウジアラビアからの原粗油の減少などで、同7・2%減の6兆1327億円だった。
対米国の貿易収支は同75・1%減の1812億円の黒字。米国向け輸出額は同37・8%減の8798億円となり、09年7月以来の落ち込みだった。米国からの輸入は同1・6%増の6986億円で2カ月連続の増加となった。
対中国の貿易収支は5526億円の赤字(前年同月は3197億円の赤字)で、2カ月連続の赤字。中国向け輸出は同4・1%減の1兆1822億円で、4カ月連続の減少となった。輸入はマスクなどの材料となる織物用糸・繊維製品が同3・3倍に増えた。
対欧州連合(EU)ではアイルランドなどからの医薬品輸入が同30・8%増となった一方、ドイツ向け自動車やオランダ向けギアボックス、ベルギー向けマシニングセンターなどの輸出が大幅に減った。