粗鋼生産、4月23%減 車分野など需要減 鉄連まとめ
国内粗鋼生産の苦境が深まっている。日本鉄鋼連盟がまとめた4月の生産量は、前年同月比23・5%減の661万6700トンで、2カ月続けて前年割れとなった。新型コロナウイルス感染拡大による自動車分野などの需要減や、鉄鋼メーカーの高炉一時休止などの影響が出た。感染拡大に伴う政府の緊急事態宣言は解除に向かうが、コロナ危機の終息には時間がかかりそうで、減少傾向は続きそうだ。
4月の減少幅はリーマン・ショック後の2009年7月の24・9%減以来の大きさで、数量も09年6月の約688万3000トン以来の水準。
3月の前年同月からの落ち幅は12・5%減で、4月はその倍近いマイナス幅となり、減産など新型コロナの影響の本格化がうかがえる。
4月の炉別内訳は、転炉鋼が前年同月比25・4%減の484万4300トン、電炉鋼が同17・9%減の177万2400トン。転炉鋼は2カ月、電炉鋼は14カ月連続のマイナスとなった。
鋼種別では普通鋼が同21・1%減の520万300トンで、2カ月連続の減少。特殊鋼は同31・0%減の141万6500トンで、17カ月連続の減少。
鋼材ベース(熱間圧延鋼材)の生産量は、同22・1%減の585万9700トンで22カ月連続の前年割れとなった。
経済産業省は4―6月期の国内粗鋼生産量を、前年同期比25・9%減の1935万5000トン(月平均645万トン強)