エフテック、中国工場増強 足回り部品を安定供給
エフテックは自動車用足回り部品の安定供給に向け、中国・武漢工場で塗装ラインの生産能力を約10%引き上げる。塗装ラインの設備を一部改造し、製造ピッチを上げる。能力増強による投資規模は数千万円とみられる。8月に新設備を稼働する。中国ではコロナ禍後の急回復により完成車の生産が急増している。既存設備の改造で部品の安定供給を目指す。
武漢工場ではサスペンションなどの車用足回り部品を生産している。塗装ラインの一部を改造して生産能力を増強する。主に製造ピッチの速度改善に取り組む。電着工程で整流器の能力アップと陽極モジュールの本数を増やす。乾燥工程で乾燥炉の温度を高くして乾燥循環排気風速を速める。工事は工場の生産活動に影響が出ないように、春節に合わせた生産休止期間の2月10―21日に終えた。試験や品質確認などを行い8月に稼働する計画。
武漢工場ではプレス、溶接、塗装、組み立てなどの各工程でラインを敷いている。コロナ禍後の車需要の急増に伴う仕事量に対し、塗装ラインの生産能力が追いつかない可能性があった。
塗装ラインは製造プロセスも特殊で、ノウハウの蓄積も重要になる。顧客の基準を満たす設備能力や品質をクリアしなければならず簡単に外注できないという。
福田祐一社長は「今後の生産計画をシミュレーションすると、いまの状態では塗装ラインが内部で吸収しきれなくなる。この能力増強でピークは乗り切れる」と強調する。同社は全社をあげて、生産能力の適正化と生産効率化に取り組んでいる。武漢工場の取り組みもその一環。