日本コーティングセンター、愛知に新工場 金型や工具の表面処理増強
日本コーティングセンターは、愛知県岩倉市の新工場を完成した。投資額は約9億円。3月末から稼働を開始。既存の一宮工場が手狭になったため、新工場に一宮工場の施設を移して金型やホブ、ラック&ピニオンなどの表面処理を手がける。半導体関連の金型や大型プレス金型などの市場も開拓する。
新工場は「名古屋第1工場」。完成に合わせ一宮工場は名古屋第2工場に名称を変えた。新工場の敷地面積は約9000平方メートル。建物は約1800平方メートルの平屋建てで一宮工場から約1キロメートルの近隣に位置する。新工場には一宮工場の物理気相成長(PVD)コーティング装置3台を移すほか、窒化装置や測定装置を新規導入する。
まずは自動車関連向けの工具類や金型の表面被膜処理を手がける。同時に、これまで本社工場で手がけていた大型プレス部品用金型のPVDコーティングや半導体関連の金型の被膜、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)処理なども受注する。
西日本の主力工場と位置付けており、受注の拡大に応じて工場の増床も視野に入れる。2021年度(22年3月期)に新工場の売上高2億円を見込んでいる。一宮工場は、空いたスペースを使い納期短縮を目的としたラインの整備に着手する。
日本コーティングセンターはトーカロの完全子会社。PVD、DLC処理などプラズマを応用した表面処理技術を得意とする。