工具自動焼きばめ、ミクロボが初の製品化 高精度に連続作業
ミクロボは、工具の自動焼きばめ装置「Mi21シリーズ」を今夏をめどに市場投入する。従来は人手を要していた焼きばめ・焼き抜き工程を連続的に自動運転できる。精度の安定化に加え、技術者の付加価値の高い作業への配置転換が可能となる。自動焼きばめ装置の製品化は世界初という。年間20台以上の販売を目指す。
このほど「HSK」や「BT」の規格のホルダーに対応した試作機を開発した。寸法は横1300ミリ×高さ1800ミリ×縦860ミリメートルで、計40本の工具を収納可能。1本当たり30―60秒程度で焼きばめを連続で行う。
作業者はタッチパネル操作でホルダーと工具、突き出し量を選択して簡単に作業スケジュールを作成できる。突き出し量は0・1ミリメートル単位で指定でき、作業者の技能に依存せずに安定した精度を実現する。
試作機は4月に東京ビッグサイトで開催される金型関連の展示会「インターモールド2021」に出展する。同展示会の来場者や顧客の意見を踏まえ、製品化に向けて正式な仕様を詰める。価格は800万円程度を想定する。
焼きばめは、ホルダーへの切削工具の取り付け方法の一つで、ホルダー先端部を加熱して熱膨張させて切削工具を挿入し、冷却収縮により工具を把持する。焼きばめ作業は、専用装置の操作やホルダー交換を人が行っており、自動化できていないのが現状。
ミクロボは、工作機械向けに加工対象物(ワーク)の自動交換装置などの周辺装置を開発、販売している。製造業で工場自動化の動きが進む中、焼きばめ作業についても自動化ニーズが高まるとみて、装置の拡販につなげる。