三菱マテリアル、摩耗しにくいドリル新材種
三菱マテリアルは炭素鋼・合金鋼加工向けソリッドドリル用の物理気相成長(PVD)コーテッド超硬材種「DP6020」を発売した。多積層コーティングの採用により、穴開けの高速・高能率加工時の耐摩耗性を高めた。価格は個別見積もりとなり、長さや太さなど形状により異なる。
多積層コーティングにより加工時の耐クラック(ひび割れ)性も高めた。またケイ素を添加したことで、被膜の硬さと酸化開始温度も大幅に向上させた。これにより被削材「S50C」の高速・高能率条件において、同社従来品比2倍以上の耐摩耗性を実現した。
近年、自動車部品の加工では高速・高能率化が主流となり、穴開けでも高速切削領域での加工が行われている。一方で強度が必要な部品のため、材料の鋼は靭性(じんせい)が一層高まっている。