アンカマシンツールズジャパン、工具研削盤の直販本格化
アンカマシンツールズジャパン(AMTJ)は、工具研削盤の直販を始めた。同社の親会社は世界有数の工具研削盤メーカーの豪ANCA(アンカ)。従来の輸入販売は代理店経由だった。10月に名古屋市港区に新本社を稼働し、製品展示や研削テストの機能を強化。
社員を11人から2年以内に17人へ増員し、営業所も増やす。一部にとどまる日本での市場シェアを20%以上に引き上げる。
新本社は新築物件を賃借する。2階建てで延べ床面積は600平方メートルと従来拠点の3倍。製品展示を従来の1台から段階的に3台へ増やす。
営業拠点は、既存の大阪府に加え、2022年1月に群馬県にも開設する。広島県での新設も検討中で、要員を募集する。
豪ANCAは世界12カ国に拠点を構える。同社推定でアジアの工具研削盤市場では50%以上のシェアを握る。対象工具の材質や形状に合わせて加工工程を最適化するソフトウエアの開発が得意。前後工程を含む自動化のための統合生産システムにも特徴を持つ。
日本では輸入販売代理店経由で98年以来、累計360台を販売した。18年に保守サービスと用途別の制御ソフト開発を強化するため日本法人のAMTJを設立した。
直販はANCAグループの基本スタイル。輸入販売代理店との関係を改め、自社で販売・サービス体制を拡充し、販売のペースを加速する。主要顧客である大手工具メーカーからの受注増に加え、手薄だった中堅・中小の顧客開拓も本格化し、低シェアにとどまる日本市場を深掘りする。