山田マシンツール、超ハイテン鋼対応の高耐久刻印 車用打刻機向け
山田マシンツールは、1・5ギガパスカル級の超高張力鋼板(超ハイテン鋼)に対応する高耐久刻印を開発した。特殊ハイスの採用と製造法の工夫により、耐久性を従来品比10倍に高めた。自動車用鋼製部品にマーキングする打刻機に搭載する。すでにこの対応打刻機の受注を始めており、2021年度は2台の納入が決まった。22年度以降に完成車メーカーを中心に拡販を図る。
マーキングは自動車などの品質管理の証として、1台当たり300―400カ所の部品に施す。軽量化目的で自動車に超ハイテン鋼を採用するケースが増えている。超ハイテン鋼は硬いため打刻の際、刻印が欠損しやすい。このため高耐久性を特徴とする刻印が求められていた。
山田マシンツールが開発した高耐久刻印は、素材として特殊な処理を施したハイスを採用した。また製作工程では、小径砥石に超音波振動を加える研削と、滑らかな表面処理を可能にするヘリカルスキャン研削を組み合わせた。これにより欠損につながるバリやツールマークを抑える。
これまで同社は、超硬カッターでハイスに一刀彫りする手法で刻印を製作してきた。今回開発した刻印の耐久打刻回数は、従来に比べ10倍の約29万回に向上した。
同社の打刻機はサーボモーター駆動で刻印をワークに押しつけて打刻する。高耐久刻印も同様の打刻機に取り付けて使う。価格は個別見積もり。
山田マシンツールは高耐久刻印を日本工業大学やトラックメーカーなどとの産学連携で開発した。