牧野フライス精機、工具研削盤のワーク交換時間半減 45秒→20秒
牧野フライス精機は、加工対象物(ワーク)の交換時間を従来機比で半減するなど生産性を高めた工具研削盤「AGE30FX」を発売開始した。
旗艦機種「AGE30」の後継となる。高精度、安定加工を引き継ぎつつ、砥石(といし)やワークを交換する装置などの性能を大幅に高めた。価格は4200万円(消費税抜き)。工具メーカーなどに提案する。
2009年発売の「AGE30」はロングセラーとして評価されている一方、差別化には性能向上が必要となっていた。新製品では周辺装置を見直し「生産性を高めてユーザーに利点を与える」(清水社長)ことを狙った。
材料をセットするパレットを小型化しつつ、一度にセットするワークの数を従来機の123本から780本に増やして交換の手間を削減。ワーク交換時間は従来の45秒から20秒に短縮している。パレット1枚の重量が軽くなり、取り出しも引き出し式にして作業者の負担を軽減する。
砥石の交換装置は丸形から星形に変更して、同じ大きさでも収納できる砥石とノズルの数を6枚から8枚に増加。交換スピードも約15秒から約10秒に速めた。ワークを保持する主軸も回転数を上げ、砥石のドレス(研ぎ直し)や円筒研削の時間短縮につなげた。
研削液タンクを除いた大きさは高さ2320ミリメートル、幅2380ミリメートル、奥行き3070ミリメートル。外観の配色を改めて新味を出した。
清水社長は「当社の売上高の4割を担う製品に育てたい」としている。