富士精工、切りくず対策ドリル ワークへの絡み解消
富士精工は切削加工の切りくずを従来の4分の1以下に細かくできる「パラパラドリル」を開発した。切りくずが加工対象物(ワーク)に絡んだり、引っかかったりするのを防ぎ、品質と生産性向上につながる。エンジンやミッションなど自動車部品向けのほか、電気自動車(EV)関連部品も視野に入れる。自動車以外の業界の開拓も目指す。
「メカトロテックジャパン2021」で公表し、本格販売を開始した。
パラパラドリルは、2枚刃ドリルのフルート(溝部)に、幅0・8ミリメートルの細い溝を左右ずらして施した。「送り速度や切削条件によるが、切りくずは幅0・5ミリ―0・8ミリメートル程度まで細かくできる」としている。
同技術は大手自動車部品メーカーと共同開発し、特許出願中。同メーカーで先行して使用したところ、「切りくずがワークに絡まらず、従来、人の手で対応していた手間が省ける」との評価を得た。同ドリルは直径8ミリメートル以上で製作可能。切りくずの細かさはユーザーニーズに対応し、溝のポジションでコントロールできる。