工作機械・産ロボ、今年の受注も「上昇基調」
工作機械やロボットなど生産財の市況が2022年も上昇基調を持続する。日本工作機械工業会(日工会)は工作機械の年間受注高を1兆6500億円、日本ロボット工業会は産業用ロボットの年間受注高を1兆1300億円とそれぞれ見込む。コロナ禍や部品不足などの懸念材料は残るが、生産現場の自動化やデジタル化、生産拠点の分散化の動きが加速し、国内外で好調を持続するとみられる。
工作機械の受注額は22年に1兆6500億円を達成すれば、過去最高額を記録した18年(1兆8157億円)に次ぐ水準。日工会が集計中の21年の受注高は1兆5500億円程度になる模様で、2年連続で1兆5000億円超えとなる見通し。
半導体製造装置や自動車の電動化関連向けのほか、第5世代通信(5G)関連や航空機など幅広い分野で設備投資が高水準で継続するとみる。部品不足や米中対立などのリスクはあるが、日工会の稲葉善治会長(ファナック会長)は「それらの動向を絶えず注視する必要はあるが、世界経済は22年も回復基調で推移していく勢いが感じられる」と強気の姿勢を示す。
一方、産業用ロボットの22年の受注額は前年比3%増で3年連続の増加を見込む。部品不足改善への期待や自動化の底堅い需要が続くと予想。「22年は受注に続き、生産額も前年比5・2%増の1兆200億円と、初の1兆円超えを期待している」(日本ロボット工業会の小笠原浩会長=安川電機社長)。
21年は中国向けなど輸出が好調に推移。国内市場にも回復の兆しが見られ、受注額は前年比27・7%増の1兆970億円で着地する見込み。統計を始めた01年以降で初めて1兆円を超える形。
鍛圧機械も好調が続く見通し。日本鍛圧機械工業会(日鍛工)の22年受注高は21年見通し比4・6%増の3400億円と2年連続の増加を見込む。電気自動車(EV)関連を中心に設備投資の継続を期待する。