村田機械、中国に新工場 自動倉庫、現地で急成長
村田機械は中国・上海市で物流機器を手がけるL&A(ロジスティクス&オートメーション)事業の工場を新設する。世界的な物流機器の需要増加で国内工場はフル生産が続く。大きな市場成長が見込める中国で、同事業初の生産拠点を構えて現地ニーズに対応する。自動倉庫のスタッカークレーンを2022年度に年産30台から始め、26年度には同300台へ引き上げる計画だ。
延べ床面積4310平方メートルの賃貸工場で4月の生産開始に向けた準備に入った。賃貸で初期投資を約1億円に抑えた。物流業務を自動化・効率化する自動倉庫で、ラック間に設置するスタッカークレーンは基幹設備。
日本や欧米などの先進国と同様、中国でもeコマース(電子商取引)を含む流通業界向けや車載用電池、医薬・医療の工場向け、食品・飲料関連、病院の院内物流向けがターゲット。中国では新しいアイデアの採用や要求が多く、現地化で顧客ニーズに柔軟かつ素早く対応する。中国のL&A事業は現状、売上高20億―30億円規模。早期の100億円達成を目標にする。
同社L&A事業の21年3月期は売上高817億円。22年3月期は前期比21・5%増の同993億円を見込んでいるが、旺盛な需要を背景に上振れを想定しているという。
22年3月期は半導体工場向け搬送システム(クリーンFA)事業と繊維機械事業も好調に推移。クリーンFA事業の22年3月期は現段階で期初予想を大きく上回る前期比72%増の約1347億円を見込む。
村田機械の22年3月期連結売上高は期初予想3728億円に対し、前期比51・9%増の3900億円ほどに上振れ、過去最高を更新すると見込む。