伸光技研、圧造用超硬金型を補修・製造 最短で即日対応可能
伸光技研産業は、圧造メーカーとしてのノウハウを生かし、圧造用の超硬合金製金型の補修や製造を他社から受託する新規事業を始めた。従来、破損時に廃棄していた圧造金型を補修して再利用できるため、都度発生する調達コストや超硬の廃棄ロスを削減できる。補修は最短で即日対応が可能。初年度の売り上げ目標は1000万円。同事業を通じ、主力の圧造事業の販路拡大も図る。
専用設備として、3000万円を投じて荒加工から仕上げ加工まで1台で完結する円筒研削盤を導入した。圧造メーカーは通常、金型を破損や使用回数などの社内規定に応じて廃棄している。破損した金型は研削加工で補修すれば元のサイズより細い金型に転用できる。すでに圧造メーカーからの引き合いでテスト加工を進めている。
補修・新造ともに、図面通りではなく、自社の技術を加えて耐久性や精度が向上するような提案をする。営業面では関西ツール工業と協業する。金型の新造では外販以外に社内用として、外部調達から一部内製に切り替えてリードタイム短縮につなげる。
伸光技研の加藤聡典取締役工場長は「金型を新規作製するよりも脱炭素にも貢献できる」という。金型の知見を蓄積し、圧造品自体の品質も高めていく。