大見工業が新本社工場 車・航空向け切削工具など、生産工程整流化
大見工業は、2024年夏の完成をめどに、本社工場を新築、移転する。現本社近くに用地を取得した。主力の自動車や航空・宇宙産業向けの精密切削工具と、機械・工具のセットアップ事業の生産効率化を図る。現本社工場が老朽化していることから、震災など事業継続計画(BCP)対策としての狙いもある。
安城市に約9000平方メートルの用地を取得した。工場は2階建てで、延べ床面積約6600平方メートル。新工場では設備レイアウトを抜本的に見直し、生産工程を整流化する。大見工業は1930年に東京で創業し、43年に現在地に移転。以降、近隣用地を取得し段階的に工場を増築してきた経緯から、一部生産工程が非効率になっている。
さらに近年は耐震対策に取り組んできたが、耐震検査の結果、生産への制約や補強工事に多額な費用がかかることが分かった。このため「補強工事を続けるより国際競争力のある工場を一から建設した方が良い」(大見社長)と新工場建設を決断した。
同社はホールカッターなどの一般汎用工具と、自動車や航空機産業向け精密工具の両方を製造する。生産効率化とリスク分散を狙いに、2012年に国内2カ所目の拠点となる島根益田工場(島根県益田市)を稼働。刷新する本社工場との国内2工場体制で事業拡大を目指す。