ヤマザキマザック、ファイバーレーザー機を一新 厚物加工力高める
ヤマザキマザックは2次元ファイバーレーザー(FL)加工機の主力を、FLが苦手とされる厚物の加工力を高めた新シリーズに今後1年かけて刷新する。第1弾として出力15キロワットで厚さ50ミリメートルのステンレスやアルミニウムを切断できる「オプティプレックス3015ネオ」を発売した。シリーズで年間200台の販売を目指す。すべてFL化したレーザー加工機の競争力を高める。
3015ネオは最大加工寸法が1525ミリ×3050ミリメートルで、消費税抜きの価格は1億6440万円から。今後出力3キロ―13キロワットタイプを順次追加し全10タイプを提供する。
FLは二酸化炭素(CO2)タイプに比べ消費電力が数分の1だが、照射レーザーの直径が3分の1程度と小さい。溶けた材料が裏面に抜けにくく加工厚に限界があった。ヤマザキマザックはネオのため、レーザーの直径を最大70倍に拡大しエネルギー分布も自動調整できるシステムを完成した。
これにより加工対象物(ワーク)の材質と厚さの設定だけで、加工時間短縮と品質を両立する最適の直径とエネルギー分布を機械が自動で制御する。実証では従来のFL機と比べて最大で、加工可能板厚が1・7倍、加工速度が2・5倍、加工断面の直角度の精度が5倍向上した。
同社はカーボンフットプリント(生産から使用、廃棄までの一生分のCO2排出量)で2030年に10年比50%削減を目標とする。強化中のレーザー加工機ではCO2タイプの受注をすでに停止した。FL機をCO2に対抗できるネオシリーズに切り替え市場を深掘りする。