機械工具生産額、今年度4770億円 世界経済・資源高騰に懸念 工業会見通し
日本機械工具工業会は、2022年度の機械工具生産額見通しを前年度比1・3%増の4770億7600万円に設定した。内外需ともに比較的好調を持続する予想としつつも、米国の金利上昇による影響や中国経済の低迷、資源価格の上昇など先行き不透明感が強いことを踏まえて微増にとどめた。
半期別では、上期が前年同期比4・7%増の2417億7800万円、下期が同2・1%減の2352億9800万円となる見通し。上期は堅調な米国経済と内需回復がけん引するものの、下期は金利上昇やウクライナ危機の長期化による資源の高騰などを踏まえて減少を予想する。
主な品目別生産額は、ドリルが前年度比5・8%増の641億6400万円、エンドミルが同3・2%増の516億900万円、ネジ加工工具が同4・7%増の423億5800万円を見込む。一方でインサート(刃先交換チップ)は同4・3%減の1862億1500万円を予想。前年度に大きく伸びた反動によるもので、日本機械工具工業会では「数字自体は悪くはない」(事務局)としている。
また材種別生産額は、特殊鋼工具が同3・1%増の851億7100万円、超硬工具が同0・2%減の3247億6600万円、ダイヤモンド・立方晶窒化ホウ素(CBN)が同0・9%減の270億5900万円と予想した。切削工具全体では同0・9%増の4289億3000万円を見込む。