ヤマハ発、ロボ開発の人員増強 搬送・省人・自動化対応、生産ラインも拡充
ヤマハ発動機はロボットの開発・生産体制を強化する。開発では現在100人以上いる開発人員を数割増強し、搬送や省人化、自動化などの切り口で開発テーマを増やして製品のラインアップ拡充につなげる。生産については浜松ロボティクス事業所(浜松市北区)を2024年に拡張するとともに、自動組み立てラインを増やして生産効率を高める。
開発では工場内や工場の建屋間での部品や製品の搬送、ロボットに置き換えられる生産工程での自動化などをターゲットとする。自律移動ロボットやボルトなどを小分けするピッキングロボット、耐振動性も備えた全天候型ロボットアーム、7軸の協働ロボットなどを開発中で、近く製品化する方針だ。
ロボティクス事業部を中心に全社を挙げて開発に取り組む。生産技術部が開発した工程間無人搬送車など自社工場での使用目的で開発した製品で需要が見込めれば製品化する。
浜松ロボティクス事業所は延べ床面積を現在の約6割増の約8万2000平方メートルとし、生産面積は同8割増に広がる。20年後半から回復してきた需要に応じるのが精一杯の状況で「(拡張決定を)1年早くやりたかった」(日高祥博社長)とするほどで、生産増強を急ぐ。
自動組み立てラインは既存のラインより細かい部品を扱って組み立てるなど高性能化した設備を導入し、自動化率を高める。
ヤマハ発はロボティクス事業と、電動アシスト自転車を手がけるSPV事業を成長事業と位置付ける。成長事業全体で21―24年の売上高成長率について18―21年比5ポイント増の19%を目指す。