エフ・シー・シー、浜松市に研究開発施設 新領域事業に照準
エフ・シー・シーは浜松市に新たな研究開発施設を建設する。2027年1月の稼働予定で、本社機能の一部の移転も検討する。電気自動車(EV)部品、摩擦材の抄紙技術応用製品、新領域での事業開発、カーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)実現に向けた環境技術などの開発の一部を担う見込み。投資額は10億円以上。また本社近くの旧細江工場跡地には新規事業の生産拠点を設ける。
エフ・シー・シーの研究開発の新施設は、浜松市北区の第三都田地区工場用地に建設する。敷地面積は約2万6300平方メートルで、浜松市と売買契約を結んだ。今後、既存の研究開発拠点との機能の役割分担を固め、建物や設備の詳細な仕様を詰める。
同社は応用製品では燃料電池スタックや不純物フィルタリング用水処理ペーパー、触媒などの開発を加速している。また環境関連では、二酸化炭素(CO2)排出量で30年度までに13年度比50%減、50年度までに実質ゼロを目指す。
工場では地下水空調などの新技術で省エネを図る。太陽光発電やカーボンフリー電源などの再生可能エネルギー導入や水素バーナー導入などで燃料転換する。
主力の2輪車・4輪車用クラッチでは事業拡大を図っており、このほどダイハツ工業から商用車用クラッチアセンブリーを受注した。
こうした新領域での開発、環境対応、既存事業の競争力向上のため、新たに研究開発施設を構えることを決めた。