岡谷鋼機、レーザー事業拡充 新工法を提案・商材増強
岡谷鋼機は、レーザー事業を強化する。レーザー加工技術などを試験できる拠点を活用して工法の提案を進めるほか、レーザー関連の商材を増やす。2023年度には営業や技術部隊の拡充も検討する。商社の強みを生かして素材から工法提案、最適な装置の組み合わせまで一貫でカバーし、主要顧客である自動車業界のほか、今後は半導体や電子関連業界にも訴求する。25年度に10億円の売上高を目指す。
グループ会社の東海岡谷機材が、21年3月にレーザー事業を立ち上げた。同時に愛知県豊田市内に、レーザー加工技術を実演できる「レーザラボ」を開設。同年11月には最新のファイバーレーザーシステムを導入し、テスト能力を増強した。22年度はレーザー加工テストを行う専任の技術者を置き、新たな工法の提案などを強化する。
21年、導入したシステムはレーザー発信器やロボットで構成。加工のためのセンタービームと、その周りを温めるリングビームの2種類のビームを制御することで接合などを高品質にできる。またパソコン上でプログラムを作成し、教示工程なしでロボットやビームを操作できるファナック製のシミュレーションソフト「ロボガイド」を採用。リングビーム対応は初めてだという。
車の電動化に伴い軽量化ニーズが高まり、異種素材の接合や微細加工といった面でレーザー加工の引き合いが強まっている。岡谷鋼機はこれまでレーザー加工機の取り扱いはあったが、より上流の工法提案や光学設計の段階から顧客を取り込み、量産設備の構築までつなげたい考えだ。