受注好調、活況続く工作機械
日本の工作機械産業の活況が続いている。日本工作機械工業会(日工会)がまとめた3月の工作機械受注実績は前年同月比で17カ月連続の増加となり、受注額も単月として過去2番目の記録をたたき出した。受注環境は今後も当面好調を維持するとみられる。ただ以前からの部品不足や物流混乱に加えて、ここに来て中国での新型コロナウイルス感染拡大やロシア・ウクライナ情勢の影響への懸念も広がりつつある。
「すべての地域が大変好調で、悪い所が見当たらない状況だ」。日工会の稲葉善治会長は、工作機械需要の世界的な好調ぶりに確かな手応えを示す。
日工会が発表した3月の受注実績(確報値)は、前年同月比30・0%増の1662億6300万円で、47カ月ぶりに1600億円を上回った。単月としては、18年3月(1828億6000万円)に次ぐ過去2番目の高水準に達した。また内外需についても、内需が42カ月ぶりの600億円超え、外需も48カ月ぶりの1000億円超えで単月では過去2番目の水準を記録するなど“好成績”を収めた。
内需は同48・8%増の602億3900万円で、13カ月連続の増加となった。半導体製造装置関連を中心に需要が伸びたほか、ロボットや油空圧機器などの産業機械、金型などでも自動化や高効率化、環境対応を進めるための設備投資が活発化。年度末効果も受注額を押し上げた。