進化する軽自動車 生活に不可欠な「足」へ
国内を主力とする軽自動車が、生活に不可欠な「足」として普通車と異なる進化を遂げている。郊外や地方での根強い短距離移動ニーズに加え、コロナ禍で一人で乗るセカンドカーとしても、低価格で取り回しのよい軽の存在感は高まった。軽ではトヨタ自動車子会社のダイハツ工業、スズキ、ホンダ、日産自動車・三菱自動車連合のNMKV(東京都港区)がしのぎを削り、電動化も急速に進む。好敵手同士のハイレベルな競争が、日本独自の軽市場を押し上げる。
新型コロナウイルスの感染拡大など視界が不明瞭な自動車業界。その中で軽自動車は力強さをみせている。日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会によると、2021年度の車名別新車販売では、上位10車種のうち軽が4車種を占めた。ガソリン価格の高騰で燃費も優れる軽は、さらに価格競争力を高めている。市場は成熟しつつあるものの、軽を扱うメーカー数は依然として多く、各社は独自の技術や需要創出に勝ち残りをかけている。
ただ目下は「需要は堅調なのに部品不足が深刻でクルマが作れない」のが課題。低価格が売りのため、長期では電動化などに伴う大幅なコスト増も高い壁になる。