丸山製作所、切削液の長寿命化装置 気泡で劣化抑制、添加剤不要
丸山製作所は、金属加工で使う水溶性の切削液(クーラント)を長寿命化する装置を開発した。超微細な気泡であるウルトラファインバブル(UFB)技術を活用。独自構造のポンプでクーラントを瞬時にUFB化し、菌の増殖による劣化を抑える。添加剤は不要。環境負荷の低減に取り組む工作機械メーカーなどを対象に9月に製品化。初年度は2000台の販売を目指す。
開発した装置はクーラントをポンプに1回だけ通してUFB化する。直径1マイクロメートル(マイクロは100万分の1)未満の超微細な気泡が嫌気性細菌を不活化し、クーラントの腐食・劣化を抑える。防腐剤や水素イオン指数(pH)調整剤などの添加剤に頼らず長寿命化できる。
装置構造はコンパクト。9月受注分の消費税抜きの予定価格は長時間対応型の200ボルトが150万円、短時間対応型の100ボルトが75万円。
特定の水溶性クーラントを使った検証に協力したクーラント製造のビーピージャパン(東京都港区)によると、添加剤を使わない状況で従来製品と開発品を比べると、2―4倍長く良好な状態を維持できたという。
環境対策で油性から置換が進む水溶性クーラントは腐食・劣化の抑制に添加剤が必要。最高等級のクーラントでも年2回以上の交換を要し、交換時は生産を止める場合もある。同剤の排出対策も課題だ。装置はこれらの課題解決や産業廃棄物の削減に寄与する。
丸山製作所は水に関するポンプ事業が主力のポンプメーカー。UFB事業を新たな経営の柱とするため、今後もUFB技術搭載の製品を市場に投入する。