三菱重工航空エンジン、エアバス機整備拡大 工場拡張・設備集中で能力増強
三菱重工航空エンジンは、航空機エンジンの修理・整備(MRO)事業を拡大する。本社工場のうち、MROを担う工場を拡張する。新エリアに機械設備を集約し、既存エリアでの人手作業を効率化する。2023年度に新エリアを稼働する。投資額は非公表。工場拡張により、MROの対応能力を現状の月4―5台から30年度ごろに同15台に高める計画。コロナ禍からの経済再開による航空機運航拡大に伴うMRO需要増を取り込む。
MRO工場に建築面積約1600平方メートルの新エリアを拡張する工事を始めた。エンジンを分解・修理して組み立てた後にブレードのバランスを測定する専用機や研削盤を新エリアに移す。専用機は1台追加導入する。同約1万2000平方メートルの既存エリアでは、部品交換や修理、組み立てなど人手作業のみ実施することで、対応能力を高める。
欧エアバスの小型機「A320neo」用エンジン「PW1100G―JM」のMRO需要に対応する。三菱重工航空エンジンは同エンジンの燃焼器などを長崎工場(長崎市)で生産しており、MROも請け負っている。A320neoの受注好調で高まる同エンジンのMRO需要拡大を取り込む。
三菱重工航空エンジンは22年度に売上高約1000億円を見込み、30年度には約2000億円に伸ばすことが目標。MROの比率は22年度は3―4割とみており、30年度には約半分に高めることを目指す。