東振テクニカル、直感操作の「心なし研削盤」開発 加工能率と真円度両立
東振テクニカルは、加工能率と真円度を両立しつつ、ボタン一つで直感的な操作を可能にして利便性を向上させた心なし研削盤「TO―6040T―WR―TF」を開発した。取り扱いが難しいとされる心なし加工において、加工品質を高めつつ作業者の習熟度によるバラつきや故障損失を低下させた。
新型機は最大加工径が直径120ミリメートル。操作盤のボタンを押すだけのシンプルな操作で段取りから加工に取りかかれるのが特徴。トポロジー最適化の手法を用いて、研削速度を従来機比で20%向上させつつ、寸法バラつきを12%低下させた。
誤操作で加工対象物(ワーク)をぶつける損失を防ぐため、誤操作防止機能を付けた。さらに加工状態の見える化を実現。従来、試し加工を繰り返すことで出した加工条件を自動算出し、真円度などの加工予測を表示することで実際の加工までの時間を短縮させた。
また、予知保全に向け、劣化などによる主軸などの交換時期を伝える監視用アプリケーションも開発した。現場環境にも配慮し、加工部のカバーを機械全体に広げ、クーラントミストを機外に出しにくい気密性を上げた設計で、機械周辺のミストを80%削減した。
東振テクニカルは軸受用などのローラー専門メーカーである東振精機向けの工作機械を開発、メンテナンスする部門として設立。そのほかベーンポンプも製造・販売する。